前記事の続き。
巡音ルカV3(仮)<以下「ルカV3」>の新機能①「E.V.E.C.(Enhanced Voice Expression Control)」が公開されてから約1週間。その間もDTMマガジンの2014年12月号にもルカV3の詳細情報が掲載され、wat氏が質問に答えています。
今までに公開された情報を中心に新たに分かったことをまとめ、新機能②とイラストの憶測もしていきます。
「E.V.E.C」に関するQ&A
【新型ルカ】昨日頂いていたご質問やTLでお見かけした疑問点に回答させて頂きます。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
【E.V.E.C.はPiaproStudioでしか使えないのですか?】こちらは手動音素入力でも可能ですが、PiaproStudioで簡便に使えるようになっております。状況を見ながらJob Pluginなどで使いやすくすることも検討中です。ヤマハさんとは勿論お話合いしています。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
PiaproStudioを使うのが最適なのは当然だけど、VOCALOID Editorでもある程度扱いやすくしてほしいですね~。 .NETアプリを作るには開発環境としてVisual Studioが最適だけど、他の開発環境やテキストエディターでも開発できるみたいな。意味不明失礼。
【E.V.E.C.使用で打ち込んだデータは互換性ないのでは?】こちら対応を予定/調整しております。E.V.E.C.を使用したデータを他のVOCALOIDで鳴らしてもE.V.E.C.要素を普通の音素に置き換えて、破綻の無いよう再生できるようにしたいと考えております。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
E.V.E.C.未対応のボカロと互換性がないと困りますね~。
【E.V.E.C.ではトライフォンはどうなるのですか?】今回の説明内容には入れておりませんが、データの作り方/整合方法を根本的に変えております。トライフォンや音程間のモーフィングに関しましては、DB数などの説明と合わせて次回”新機能②”と合わせて、回答させて頂きます。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
新機能②については後述。
【E.V.E.C.は手動で母音分割と違うのですか?】基本、音符分割する手動とは考え方が違います。収録された音声データを調べて、各子音から母音への推移スピードを計測し各子音に最適な数値で分割してます。例えば「き」と「きゅ」では子音長さ/子音→母音に到達するまでの時間がまるで違います
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
…という訳で、[k a][a]という感じで行われる母音分割とは使用用途が違っていて、あくまで子音から母音への推移を計算して、母音が定常化する直前で、拡張音素(母音)へと差し替えます。これを制御しないと[ら行]や[わ行]もしくは[にゃ][ひゃ]などの子音が変に欠落したりするので。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
この辺はよく分からないです…。
ルカV3のイラストはセクシー成分が増える?
後、新型ルカのデザインイラストですが、黒色の領域が若干減り、印象が明るめになりますが声色変化と合わせての事ですので、何卒ご理解下さい m(_ _)m
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
@wealthriver 色っぽいデコルテが…見える気がします。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
@ikiru_luka 暗さと明るさの間でどちらにも行けるような感じ。優しさと、淋しさと、激しさと、全て持っているような、アンニュイな声&姿になっていければ…と思っています。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
@iruka_Hirahashi ありがとうございます。使っている色数は、あまり変わりませんが、要素を整理しながら女子力があがりつつ、アンドロイド感も残しつつ…という感じです。油断すると凄く人っぽくなってしまうので。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
「色っぽいデコルテ見える」とことは肌の露出が増えて、セクシーさがが増すのでしょうか? イラスト発表も楽しみにしています。
新機能②はどんな機能?
今回のルカは、単にC-V-V-Cではなく、C-CtoV(子音終わりから母音への推移音)-V-Cという考え方で、音素を分割し、時間軸をPiaproStudioで制御しています。更に詳しいお話は新機能②の時点でご説明させて頂きます。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 7
1つのDBの中に複数の声色が入っていて、更にDBの種類が日本語と英語と合わせて何種類で…って分かり難いよなぁ。コレに新機能②が影響すると、更に分けわからなくなるという混沌とした状態です(苦笑)
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
現時点ではPowerとSoftの2種類のDBが明らかになっていますが、新機能②の影響でさらに増えるってことでしょうか?
@CatandCloud 母音に干渉する系の機能になりますねー。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
@CatandCloud はい。母音だけ充実し過ぎですw
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 8
新機能②は母音に干渉する系の機能になるそうです。前記事では「ファルセット」だと予想していましたが、違うようです。ファルセットは「E.V.E.C」に含まれるようです。
新型ルカの件、新機能②などの情報は来週末に更新できる見込になりました。ルカファンの方々には大変長らくお待たせしてしまったことを、お詫び致します。新機軸を盛り込んで、新しくなる巡音ルカを、どうぞ今後共よろしくお願い致します。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 14
新機能②は来週末に発表されるそうです。それまでに楽しみにしています。
収録されるライブラリ・声色の数は?
DTMマガジン2014年12月号にE.V.E.Cについて詳しく掲載。
今月のDTMマガジン(誌面)の方に掲載されている新機能情報ですが、一部再調整している部分があり、ネットでは声色の種類数など大きく取り上げておりません。こちらYAMAHAさんとの調整が済み次第、コメント致します。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 10
ただし、DTMマガジンに掲載されている情報は古い部分もあるでご注意あれ。だから公式サイトではDBや音色の数は大きく取り上げられていなかったのですね…。
公式サイトの画像通り、ライブラリはPowerとSoftの2つ、声色はPower、Soft、Close、Cute、Whisperの5つと書いてありました。2×5で10通りのバリエーションがあるようです。今までのルカV2の延長がPowerで、スッキリとしたルカV2がSoftみたいです。さらに声色としてハスキー・ボイス、ファルセット・ボイスの収録も予定されているようです。
@arinyan486 返信遅くなりまして申し訳ありません。5通りづつの10通りから増える方向で調整していますが、種類数は現状最終決定しておりません。(勿論、大体は決まっているのですが…)
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 13
ライブラリと音色の種類について質問してみたところ、増やす方向だそうです。
E.V.E.C.の種類を最後まで悩み中。採用が決定しているのは、POWER/SOFT/CUTE/WHISPER/CLOSED。悩み中はPOWER2/POWER3/FALSETTO/DOUBLE/HUSKY/DARK等…最後は全9種以内の予定で効果と作業コストのバランスを計算中です
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 15
音が近いのは、WHISPERとHUSKY、CLOSEDとDARK、POWERとPOWER2、是非収録したいが、作業が重たいのはFALSETTOとDARK。想像より効果が大きいのはPOWER系で、効果が少ないのはCLOSEDとDARK…うーん、悩ましいです…。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 15
実用性を考えると、効果が大きければいいという訳でもないですし、同一楽曲で使用するのに相性が良いやつと悪いやつもあります…。人間っぽくするのに使えそうなものもあれば、少々変わった効果になりやすいものも捨てがたいです。低音で効果が良いのと、高音で効果が良いのも分かれますね。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 15
「ルカらしさ」という意味ではDARK要素も重要だよなーと理解しつつも、E.V.E.CはDARK系は割りと苦手でして…ルカAppendが難しかったのも日本語の独特の「暗さ」を軸にバランスするのが難しかった理由もあり、今回は英語側の「柔らかさ/アンニュイさ」に少し力点を移しています
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 15
ただ、どの声色を追加するかはまだ決まってないようです。公式サイトやDTMマガジンに掲載されているPOWER/SOFT/CUTE/WHISPER/CLOSEDは採用が決定しています。候補のうちFALSETTOとHUSKYはDTMマガジンでも「予定」として載っていました。最終的には音色は全9種類以内となるようです。ということは、3~4種類増える方向かな?
動作環境
@araki_luka ご質問ありがとうございます。動作環境に関しては(MEIKO V3などと比べて)少しは上がる見込です。現在、PiaproStudioの担当者らとも話し合いながら、詰めております。週末にはこちらも公開する予定ですので、今しばらくお待ち下さい。
— crypton_wat (@vocaloid_cv_cfm) 2014, 11月 16
複数DBでそれぞれに声色も収録されるのならまず必要ディスク容量は増えて当然ですね…。新機能が搭載される分、必要なCPUやメモリーも増そうな気がしますが、どれだけなのか予測できません。